青森県も梅雨入りした模様、収穫前のたまねぎに殺菌剤を散布

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青森でお米とタマネギを栽培している青森マエダライスです。
田植が終わり次はタマネギの収穫に向けての準備です。

 

 昨年は乾腐病の被害が大きかったタマネギ。梅雨時期と収穫期が重なるため病気の予防は欠かせません。昨年乾腐病が発症した理由は殺菌防除しなかったこともありますが、その他にも遅めに追肥したことが理由だと思います、タマネギには他にも軟腐病やべと病など発症すると収量に大きく影響する病気がたくさん。発症してからだと遅いので予防のために薬剤を散布します。

 

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農薬散布に適した時間があります

よく言われているのが農薬散布は朝夕が好ましい。涼しく風も無いためである、と。農業経験の浅い自分としてはもっとしっかりとした理由が知りたいところ。
 

お住まいの地域と気象条件は違いますが、こちらで指導していることと照らしてお答えします。
1.農薬散布について
夏場は、おっしゃるように、薬害防止の観点から、日中高温下での農薬散布は避け、朝か夕方に散布します。(日中は、植物の代謝も高くなっているため薬害が出やすい)液剤や乳剤などの農薬は、降雨や露などで農薬が流れてしまう前に、葉面を乾かしてやることが肝要です。そのため、乾きにくい冬場などは夕方よりも朝の涼しいうちに散布した方がよいと思います。但し、朝露が多かったりする場合は、散布農薬の付着が悪くなる場合もあるので、そうした場合は、夕方に行った方がよい場合もあります。(逆に土壌処理型の除草剤は朝露などで土壌表面が湿っている状態で散布すると効き目がよい)また、朝・夕方は比較的、風が弱いので、農薬の飛散防止にもなります。(日中は空気が暖められて上昇気流が発生し、農薬が飛散しやすい)
2.潅水について
潅水は基本的には夏場・冬場に関係なく、朝方に行う方がよいと言われています。
<物理学的>
例えば、夏場は、地温の高い日中に行うと、潅水した水の温度が上昇し、根を傷めることになります。また、地温が低下してきた夕方に行うと、夜間、土壌が湿っていることになるので、 病害の発生が助長させる可能性があります。冬場は、夕方に潅水を行うと地温がさらに低くなりますし、夏場と同様に病害発生の問題もあります。日中は夏場のような問題は少ないですが、夕方には土壌が乾いている状態にしておくためにも、朝方(遅くとも午前中)に行う方が望ましいといえます。
<生理学的>
また、野菜自身も植物として、日中に光合成と呼吸(光合成>>呼吸)、夜間に呼吸を行います。光合成では、下の式のように、光合成反応に必要な水の方が、光合成を行うことで発生する水より多いので、生理学的にも日中に土壌水分がある方が望ましいといえるのです。夜間(呼吸)も水分は必要ですが、呼吸を行うこと自体で発生する水の方が多いので、 それほど多くは必要としません。このような理由で、朝方に潅水を行うことで光合成に必要な水分を与え、夕方には表面が乾くようにして、病害の発生を抑えるというのが、基本的な考え方になります。

 JA鳥取いなば質問コーナー その他ナ行 農薬

すばらしい、わかりやすい説明。
やっぱり気温が上がってからだとダメなんだよな…